山梨DX推進支援コミュニティ イベントレポート

イベント概要

山梨DX推進支援コミュニティ発足から1年が経ち、この度コミュニティ会員様限定のイベント「DX悩み人の集い-その悩み、コミュニティで解決しませんか-」を開催しました。

開催日時・開催場所

日時:2023年8月24日(木)
場所:タケダストリートベース(甲府市武田2-9-4)

イベント開催の目的

本イベントは、山梨DX推進支援コミュニティ会員企業(以下会員企業)のDX・デジタル化に関する悩みや相談事項を共有することで、DX・デジタル化を進めている企業様同士の「横の繋がりの構築」「共にDXを進める仲間づくり」を目指しております。
イベントには4社8名のコミュニティ会員企業様が集合し、DXへの悩みや課題をディスカッションしました。

参加企業様一覧

会員企業様(順不同)

山梨信用金庫様(2名)
株式会社エスティケイ様(3名)
長谷川醸造株式会社(1名)
地域資料デジタル化研究所(1名)

構成員企業(順不同)

株式会社山梨中央銀行 
株式会社ウインテックコミュニケーションズ 
甲府商工会議所
山梨県法人会連合会
株式会社ワイ・シー・シー
NTT東日本 山梨支店
株式会社NTT DXパートナー

イベント内容

<第一部>自社のデジタル化/DX推進取り組み紹介 14:05~14:30

第一部では、会員企業であり、総合不動産企業として既存事業・ビジネスにデジタル化/DX推進を積極的に取り込んでいる株式会社エスティケイ 飯塚様に自社のDX取り組みをご紹介いただきました。

(※マイクを持ち自社のデジタル化・DXの取り組みを話す飯塚様)


講演では、コロナ禍を経て大きく変わった「住民(顧客)の行動変容」を捉え、店舗のあり方を見直し、業務効率の向上を目指すことを目的に導入した「遠隔接客サービスRURA(※1)」の導入事例を基に、なぜ、導入に踏み切ったのかという背景から、導入に当たってぶつかった障壁(従業員の説得、接客方法の展開)など、デジタル化・DXに取り組む上での悩みや課題、今後の展望についてお話をいただきました。

導入した「遠隔接客サービスRURA」は、銀行・飲食店・小売店で幅広く導入されている、店舗における接客業務をDXするためのソリューションです。(店頭にモニターを設置、モニター越しに接客を行うことで店舗の無人化・効率的な接客を実現)

(※1遠隔接客サービスRURA:https://timeleap-rura.com/)

エスティケイ様では、コロナ禍の個人の行動変容から、

①オンラインに関する障壁・拒否感が薄れ、特に若年層はオンラインに関する親和性が高い
②従業員も、コロナ禍でのリモート環境を駆使した仕事の仕方に慣れており、出来れば継続したい要望が高い、店舗を拡大していく事業拡大の時期に当たり事業の根幹である“接客”部分で変革をすることが他社との差別化や業務の効率化につながる
という2つの観点から導入を決定されたとのことです。

導入により、スタッフの店舗移動時間の削減や未対応顧客の
減少、管理者の現場状況把握の簡素化など、定量・定性の双方で十分な効果を実感できたとのことでした。一方で、システム導入当初はリモート接客やツール使用に対しての社員の抵抗感の払拭や
システムのエラー時の対応方法確立、お客様のリモート接客への理解促進に悩みや課題感があったそうです。飯塚様は従業員には「利用することのメリットを十二分に伝えるだけではなく! (経営層を巻き込んだ)賞賛・評価の文化をつくること。」で上記の課題を払拭することにチャレンジした。というオリジナルな解決手段についても語っていただきました。

本イベントにご参加いただいた他会員企業からも「ソリューションの導入効果・その測定方法」や「社員のリモート業務への抵抗感・従来業務から新しい手法に変革する抵抗感を払拭した方法」について多くの質問があり、自社の直接の業務とは関係なくとも、DX・デジタル化への企業としての向き合い方や考え方を吸収しようとされている姿が印象的でした。

また、金融機関の窓口に活用できるのはないかという意見から、不動産業×金融機関といった異業種同士のコラボレーションのアイディアが出る瞬間もあり、「企業同士が集まるコミュニティ」としての可能性を感じることができました。

(会員企業からエスティケイ様へ質問をする様子)


<第二部>DX/デジタル化の悩み共有座談会 14:40~16:00

第二部では、本イベントのメインセッションである、「DX/デジタル化の悩み」を共有する座談会を開催しました。

4名程度のグループに分かれ、参加している会員企業同士が自社のDX/デジタル化の悩みを素直にさらけ出して頂き、双方向で悩み・課題の解決策、方向性を語り合う場を設けました。

はじめにアイスブレイクとして、簡単な自己紹介と最近の失敗談をご共有いただきました。

初対面ということもあり、最初は緊張した面持ちだった参加企業様同士ですが、お互いの
失敗談で笑い合いながら、だんだんと打ち解けていきました。

次にDXの悩みについて以下、4つのトークテーマを中心にディスカッションしました。

DX推進における「意思決定(会社方針)」について
②DX推進における「進め方」について
③DX推進における「組織体制」について
④DX推進における「人材育成」について

~~ここからは座談会中のお悩みやご意見をいくつか抜粋してご紹介させていただきます~~

・現在は受発注をFAXで行っているが、オンラインで注文を受け、自動で生産ラインに製造指示を出すような仕組みを導入したいが、コストや労力がネックになってしまっている。
・特に「労力」という部分では、従来の方法から新しい方法へ従業員に「仕事の仕方」を変化させる。この部分にとても苦慮している。「なぜやる必要が?やったらどういうメリットが?」と一度聞き出すと従業員からの要望・不満が止まらない・・・・

・現在の業務がデジタル化しなくても回っているため手間とコストをかけてDXを推進することにまだためらいがある。
・費用対効果をどのように測定し、社内(経営層含めて)のオーソライズを取っているか教えて欲しい、データ集計の観点なども合わせて。

・社内でDXの理解が浅いためDX推進がボトムアップ的に進めることがなかなか難しい。 ・経営層からは「DXを推進して欲しい」というお題だけを頂いており、具体的に「企業としてどういう姿を目指しているか(あるべき姿・目指したい姿)」から一緒に議論が必要だと思っているが、そこが伝わらない。

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上記テーマに加えて、参加者の皆様の共通するDX推進の上での課題として、「人材採用・育成」が挙げられ、座談会の中で特に議論が加速しました。

特に、

 #DX推進人材の「採用方法」

 #新人育成

 #ベテラン層のDX推進へのマインドチェンジ方法

こちらの3点は全ての会員企業が課題として認識しており、お互いの経験・知見を交換し合いながら、活発なディスカッションが行われました。

本イベントの最後には、今回の座談会を通じての気付きを会員様間でご共有いただきました。

その中のご意見をいくつか抜粋してご紹介させていただきます。

・DXを推進するにも自社以外の課題・問題が大きく、世代間のギャップを埋めることが
必要である

・社内へのDXマインドの浸透のさせ方について、DX推進が自分ごとになっていないことが問題点として挙げられる

(各テーブルに山梨DX推進支援コミュニティの構成員企業からテーブルファシリテーターを配置し、ファシリテーターを中心に議論のスタートや議論の進行などを行うことで、参加者からたくさんの意見を聞くことが出来ました。)

参加者の声

今回の座談会にご参加いただいた長谷川様(長谷川醸造株式会社)と清水様(株式会社エスティケイ)から座談会の感想をいただきました。

長谷川醸造株式会社 長谷川様

「他社のDX事例を知ることで他業界の取り組みについて学ぶことができた」

株式会社エスティケイ 清水様

「普段は同業者で会話することが多いため異業種の会員同士での座談会はより
エンドユーザー目線で意見をいただけて非常に有意義な時間だった」

今後も山梨DX推進支援コミュニティでは、

中小企業が抱えるDXに関する悩みの解決をお手伝いさせていただく、各種イベントを毎月開催する予定です。ぜひご参加ください。

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