株式会社エスティケイ

株式会社エスティケイの
デジタル変革とその先

不動産と言えば、人々の大切な人生の一部を形作る業界。
その中でも山梨県甲府市近郊で30年以上にわたり総合不動産業を展開している株式会社エスティケイは、
単なる物件提供者としての役割に留まらず、お客様の理想の暮らしを追求するパートナーとして存在しています。
売買、賃貸、リフォームから地域活動やイベントの主催に至るまで、エスティケイは山梨県の暮らしを豊かにするための様々な取り組みを進めています。
今回は、その背景やデジタル化への取り組み、そして未来に向けたエスティケイのビジョンについて、詳しく伺いました。

株式会社エスティケイ

企業概要

株式会社エスティケイは1987年の創業以来、山梨県甲府市近郊で総合不動産業を展開しています。
賃貸、売買、仲介、リフォーム、管理などの多岐にわたるサービスを提供し、お客様の大切な人生の節目に寄り添ってきました。
エスティケイの取り組みは、単に物件を提供するだけでなく、お客様の理想の暮らしを一緒にとことん考えること。
地域との深いつながりを持ち、30年以上の経験を活かし、様々な地域活動やイベントも主催しています。
山梨県の不動産業界において、エスティケイは地域の暮らしをより豊かにするための存在として貢献しています

取材対象者:
株式会社エスティケイ
代表取締役社長 輿水隆司さま (以下、輿水社長・写真左)
経営管理本部 本部長 清水広夢さま (以下、清水本部長・写真右)

事例詳細:取り組み内容インタビュー

――DX推進の取組み内容について教えてください。

輿水社長:
顧客とのコミュニケーションや、社員教育・サービス品質の向上観点で様々な取り組みを行っています。
1つ目は、不動産の現場での情報共有や顧客への提案を効率的に行うために、VR対応の非対面ツール を導入しています。
これにより、お部屋の状態やデザインに関する情報を紙ではなくデジタルで共有できるようになり、リノベーションの提案や顧客対応が迅速に行えるようになりました。ただし、デジタル化が進むことで、対面でのおもてなしや顧客との関係性の強化が難しくなる可能性もあるため、オンラインとオフラインのバランスを保ちながら取り組むことが重要です。現在は、学生のお部屋探しのシーズンなどにVRを活用して案内を行うなど、そのバランスを保ちながら業務効率を向上させることを目指しています。

輿水社長:
2つ目は、サービス品質の向上や均一化という観点で、賃貸管理webマニュアルを活用しています。賃貸管理を行う上でのノウハウが凝縮されたサービスで、入居者からの問い合わせに対する対応マニュアルがフロー化されています。未経験者が多い中で、「これを見れば分かる!」という感覚を社員に持ってもらうことが重要です。
自分たちでカスタマイズすることもできるので、自社にあったマニュアルを作ることができ、様々な判断を均一化することができ、一人に仕事が集中する、ということを防ぐこともできます。
このような取り組みで、「不動産会社って、専門知識が必要で難しい」というイメージを払拭していき、社員とお客様の満足度向上を目指しています。

(左写真:実際の賃貸管理webマニュアルの画面)

――DXを進めた背景について教えてください。

輿水社長:
DX化に取り組もうと思った背景は、不動産業界に未経験者が多く、短期間で業務や専門知識を身につけるために教育体制の整備が必要だと感じたからです。
これまでは、業務を教えてもらう際も先輩の背中を見て覚える、というスタイルでした。この状態では、誰が何を覚えていているのか分からず、上司と部下のコミュニケーションがうまくいかず、
ミスが発生していました。
そのため、社員のスキルを可視化し成長を加速させるために、まずは教育体制の整備から取り組み始めました。
また、山梨県内に様々な物件がある中で他社との差別化を図るため、10年ほど前からリノベーションの分野に力を入れるようになりました。
オーナー様と、デザインのイメージを共有し、スピーディな意思決定を目指す中で、デジタルツールの導入が必要であると感じたのも、背景のひとつです。

――DX化を進める上での課題と課題に対しての取組みを教えてください。

清水本部長:
DX化を進める上での課題として、時間の制約やお客さんの状況に応じた対応が挙げられます。特に不動産業界では、お客さんが限定された時間内で物件を選ばなければならない状況が多いため、効率的な情報提供が求められます。DX化により、情報提供のスピードが向上し、お申し込みのスピードも加速しているという実績があります。
しかし、電子契約などの新しい取引手法には慣れていない年配の方も多く、その点は課題として挙げられます。
また、オンラインとオフラインのバランスや、実際の物件内覧の方法も現在模索中であり、各お客さんのニーズに合わせたサービス提供が重要であると感じています。
学生などの若い層はオンライン活用が進んでおり、効率的に多くの情報を得ることが可能となっています。

――どのように新しいサービスやツールを従業員の方に浸透させているのでしょうか。

清水本部長:
社長は、自ら新しいツールやサービスを導入する際にも、まず社長自らが触れてみて、従業員に見せてくれます。誰よりも早く情報をキャッチアップし、背中を見せて、従業員がついてきているんです。

――輿水社長はどうして情報収集を自ら率先したいというマインドになるのでしょうか。

輿水社長:
純粋に不動産のことが分からないからですね。いつも毎日新入社員の気持ちでいます。
山梨県の中で質として一番になりたいと考えたときに、デジタルの力で様々な業務改善をし、オーナー様やお客様との対応の時間に使いたいと思っています。
分からないという気持ちが自分自身よくわかるからこそ、、新入社員が入ってきても、分からない状況を作らない環境にしたいと思っています。
常に探求心を持って、「あんなことできないか」「こんなことできないか」と考えています。ドラえもんを探しているのび太君の感覚ですね(笑)

――デジタル化に取り組みつつ、その先のそれぞれの未来を目指している山梨県内の企業の方に何かアドバイスをお願いします。

デジタル化を進める山梨県内の企業の経営者へのアドバイスとしては、まず、自社の社員を信じることが重要です。
彼らは素晴らしい考えや意欲を持っているため、経営者は彼らの声や提案を大切にし、実現させるためのサポートを行うべきです。
特に若手や従業員からの意見やフィードバックは、DXの取り組みを進める中での新しいアイディアや視点として非常に価値があります。
彼らには積極的に意見やアイディアを発信してもらいたいと考えています。

また、企業が持っている独自のノウハウや成功体験は、独占するのではなく、外部と共有することで、より多くの価値を生むことができます。
成功の経験や知見を外部と共有し、協力しながら進めていくことで、山梨県内全体の発展や、新しい可能性を探る手助けとなります。

さらに、山梨県の特性として、閉鎖的な側面があると感じられることもあるかもしれません。しかし、外部の人間や新しい考え方を受け入れることで、地域全体の成長や進化が期待できます。
新しい取り組みやアイディアを導入することで、より良い接客やサービスの提供が可能となり、顧客満足度の向上につながると信じています。
どのような顧客が来るかは分からないかもしれませんが、人との接触を増やすことを積極的に行うことで、新しい発見や可能性を追求することができると考えています。

あとがき 山梨DX推進支援コミュニティ事務局

株式会社エスティケイさまの、DX化への前向きな取り組みに触れてきました。輿水社長・清水本部長のお話を伺う中で、これまでの課題に真っ向から向き合い、「こうなったらいいな!」という一歩先の未来を想像し、実現している姿が印象的でした。想像を想像で終わらせないために、不動産業界のみならず、様々な業界にアンテナをはり、情報収集し、行動に移されていました。

また、従業員の方とのコミュニケーションの活発さ、距離の近さもエスティケイ様の特徴の一つでした。だからこそ、現場のリアルな課題を発見できているのだと感じました。
DXにおいては、現場で働く従業員の方のマインドも変革していくことが必要になります。
エスティケイ様の取り組みのご紹介を通して、山梨県内の企業様のDXを推進する上でのヒントになれば幸いです。

当コミュニティにおいても、課題の発見や、従業員の方のマインドセットなど、DXにおける様々なフェーズのサポートをさせていただいております。是非、お気軽にご相談ください。

山梨DX推進支援コミュニティ:笠原修哉

*文中に記載の組織名・所属・肩書き・取材内容などは、全て2023年8月時点(インタビュー時点)のものです。
*上記事例はあくまでも一例であり、すべてのお客さまについて同様の効果があることを保証するものではありません。

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